これまでの街歩き

黄山宏村/ 中国

2008年10月16日(木) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2008年5月

世界地図

地図

場所

中国・安徽省の南部で景勝地・黄山の近くにある小さな街です。
街はおよそ800年の歴史を誇り、昔から商売人を多く出したため、「安徽(あんき)商人」の名は中国では商売上手で有名です。稼いだ富を故郷に持ち帰り、水路や白壁の建物などの美しい町並みを作ることが、安徽商人の誇りなのだとか。
映画「グリーンデステニー」など、中国の時代劇の撮影地としても有名で、昔の中国の暮らしを偲ばせる街並みがそっくり保たれていることから、世界文化遺産に登録されました。

Information

宏村の構造

水路と半月形の池など、独特の構造をほこる宏村の街。実はこの街600年ほど前の有名な風水師のデザインによるもの。当時洪水に悩まされていた村は、風水師の指導によって村全体を一頭の牛に見立てて大改修をしました。村の北側にそびえる山を「頭」、村の入口の銀なんと紅楊(どろのき)の二本の樹を「角」、村の家並みを「身体」、中央の池は「胃」、水路は「腸」、南側に掘った大きな池を「腹」とし、牛の形で富貴を呼び込もうとしたそうです。その後、宏村は大いに繁栄したのだとか。

景勝地 黄山

黄山は「天下第一の奇山」などと称され、古来中国でも最高の山の一つと言われてきました。黄山山脈は南北の長さ40km、東西の幅30km、全山の総面積は1200平方km。その内、黄山風景区の面積は154平方km、天都峰(1810m)、蓮花峰(1873m)、光明頂(1841m)の三つの主峰を筆頭に72の峰を持っています。峰にある奇抜な形の石と、そこに生える松、そして雲海が、黄山の水墨絵のような景色を作り出していると言われています。

名物 猴魁(こうき)茶

宏村ではお茶屋さんがあり、竹で作った急須がお土産で売られるなど、お茶が盛んです。中でも特産の猴魁(こうき)茶は、そのいわれと豊かな香りで人気です。
昔、この辺りの茶畑に迷い込んだ猿の親子がいました。子とはぐれてしまった親ザルは、懸命にわが子を呼び探しましたが、とうとう見つけられずに死んでしまいます。不びんに思った人たちが猿を土に埋めてやると、翌年その場所から茶の芽が出てきて、やがてえも言われぬ良い香りを発する茶葉をつけるようになったとか。

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