これまでの街歩き

上海・南京路界わい/ 中国

2012年6月12日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2012年4月

世界地図

地図

場所

 中国の経済、金融、貿易の中心地で、人口は中国最多の約2300万にのぼる上海市。世界有数の国際都市です。19世紀中ごろ、アヘン戦争に敗れた中国はここ上海を列強に開港することとなり、そのとき租界(外国人が行政権と警察権を握っていた地域)が設けられました。黄浦江の西側の岸辺には、今でも外灘(バンド)と呼ばれる、租界時代(19世紀中ごろ~第二次大戦)に作られた多様な欧風建築が数多く残っていて、街行く人々を魅了し続けています。「東洋のパリ」「魔都」などとも呼ばれていた上海には、芸術や文化、エンターテインメントなども世界各地から集まってきました。当時、東洋一の規模を誇った繁華街・南京路は東西に延びる上海一の繁華街で、1日の人出は100万人。また、南京路周辺には先祖代々そこに暮らしてきた住民も多く、路地が入り組んでいて、昔ながらの住宅や屋台もたくさんあります。

Information

上海税関時計台

 上海のシンボルでもある時計台が造られたのは1927年。外国船が来たときに中国の時間を知らせるため、イギリスの時計会社によって造られました。文字盤の直径は5.3m。針は青銅製で長針の重さは49kgもあります。実はこの時計、動力はぜんまいではなく、おもりです。一度そのおもりを上まで巻き上げると、3日間動き続けます。ちゃんと秒針もありますが、80年以上も動いているため少しずつ時間にズレが生じることも。そんなときは、管理人が時々手で針を動かしたり押さえたりして、時報に合わせています。
 この時計台、外国船に時間を知らせる役目は終えていますが、上海のシンボルとして今も15分おきに鐘を鳴らし、時を告げています。

チャイナドレスの本場

 上海はチャイナドレスの本場です。チャイナドレスはもともと、中国清朝の満州族から伝わった衣装でした。現在のような華やかな形になったのは1920年ごろ。上海が国際都市になってからのことです。
 作り方は、まず生地を決めてもらい、サイズを綿密に測ります。仮縫いをして一度試着してもらったあと、本格的に縫い始めます。簡単なもので2日、刺しゅう入りの複雑なものだと完成まで1か月かかることもあります。いちばん気をつけなければならないのは、生地に描かれた模様の位置です。例えば、花柄の生地の場合、花柄の曲線部分が腰にこないと、細身に見えません。設計の段階で念入りに計算し、必ずスタイルがよく見えるように仕立てます。
 チャイナドレスを着て椅子に座るときは、少し浅めに座り、裾を少し上げて余った部分を裏に折りたたむときれいにみえますよ。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 上海の食べ歩きグルメ・ベスト3を紹介してくれたのは、おいしいものに目がない地元タクシー運転手の銭斌(せんびん)さん。

糯米粢飯巻(もちごめしはんまき)

上海で大人気の食べ物です。赤いもち米は、血行をよくして胃にもやさしい。炊いたもち米を広げ、中に肉デンブやゆで卵、ソーセージなどを入れて巻いたらできあがり。上海のタクシー運転手は1日1回はこれを食べるんだ!

豆腐花(とうふか)

おぼろ豆腐の上に、ザーサイ・のり・干しエビ・ネギを加え、しょうゆやラー油をかけます。栄養価高いよー!

包脚布(ほうきゃくふ)

上海人が大好きな朝食です。小麦粉の生地を焼いてその上に卵を塗り、ネギ・香菜・ザーサイをふりかけ、みそを塗って、最後に揚げ餅を入れ、クルクル巻いたらできあがり。外は柔らかで、中はサクサク。忙しいときにはこれがいちばん!

※NHKサイトを離れます
ページトップ