これまでの街歩き

チョンジュ/ 韓国

2012年10月9日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2012年8月

世界地図

地図

場所

 チョンジュ(全州)は、韓国南西部の行政区・チョンラプクト(全羅北道)の中心地。ソウルからは高速バスで3時間ほどの場所にあります。人口はおよそ65万。朝鮮王朝を建国したイ・ソンゲ(李成桂)の祖先の発祥の地として知られ、歴史を重んじる気風を大切にしています。また、三方を山に囲まれて山菜が豊富に採れることや、水にも恵まれていることから、食文化が発達。ビビンバもここで生まれたと言われています。
 2002年にはサッカーW杯の会場に選ばれ、それを機に観光開発が進行。伝統家屋が700棟も密集するハノクマウル(韓屋村)地区は、その目玉として整備され、パンソリ(民俗芸能)を鑑賞したりキムチ作りを体験したりと、伝統文化を楽しく学ぶさまざまな施設が充実しました。2010年に政府機関から「韓国観光の星」に選ばれ、観光地として注目を集めています。

Information

ビビンバの故郷

 チョンジュは、日本でもおなじみの韓国料理、ビビンバの発祥の地と言われています。チョンジュ・ビビンバとして、国の無形文化財に指定されています。
 最大の特徴はご飯の炊き方。牛骨を8時間かけて煮込んだスープで、炊き上げることです。スープの油分がお米の粒をコーティングして、ご飯のうまみと栄養を閉じ込めるのです。さらに、炊き上がったご飯にはごま油をかけ、全体に混ぜていきます。ビビンバは食べる時に、具とご飯を混ぜて食べる料理。ごま油を使うと、香り付けはもちろんのこと、ご飯が潰れるのを防ぎます。ちなみにビビンバとは、「ビビ(混ぜる)」と「パブ(ご飯)」を合わせた言葉。
 具は山菜のナムルなど18種類。味付けは薄味に仕上げます。真鍮(しんちゅう)製の器に具を乗せて中火にかけ、ジジジジという音が聞こえてくると完成です。スプーンで豪快に混ぜて、たくさんの付け合わせと一緒にお召し上がりくださいね。

キョンギジョン(慶基殿)

 キョンギジョンは、およそ500年続いた朝鮮王朝ゆかりの場所。王朝を建国したイ・ソンゲ(李成桂)の肖像画を安置するために、1410年に建てられました(現在の建物は17世紀のもの)。肖像画は御真影(ごしんえい)と呼ばれ、神聖視されたのです。同じ敷地内にあるオジンバッムルカン(御真影博物館)には、19世紀後半に肖像画を同じ絵柄で描き直した時、ソウルから運んできた豪華な輿(こし)が展示されています。御真影が、都の置かれたソウルではなく、チョンジュに運ばれた理由…。それは、チョンジュがイ・ソンゲの祖先の故郷だったからです。韓国では、祖先の故郷を一族のルーツとして大切にする伝統があるんですよ。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 ベスト3を紹介してくれたのは、地元グルメ情報に敏感な女子大生のパク・ユジンさん。

豆もやしのクッパ

ビビンバと肩を並べる郷土料理です。いわしの煮干や昆布など、10種類の素材を煮込んだスープの底には、ご飯とともに、たっぷりの豆もやしが入っています。豆もやしは、アルコールを分解するアミノ酸が豊富なことから二日酔いに効くと言われ、お店には朝からお客さんが絶えません。

韓国のかき氷

氷の上に小豆の餡(あん)をたっぷりと乗せ、お餅が乗っている韓国定番のかき氷です。チョンジュの人気店では、黒ごまを加えているのが特徴。黒ごまは髪の毛につやを与えると言われ、若い女性に大人気です。

伝統おやつ「クァベギ」

クァベギとは「ひねる」という意味。小麦粉の生地をひも状に伸ばしてひねり、油で揚げたお菓子です。シンプルであるがゆえに、ついつい手が止まらなくなる味で、ポリポリという食感も楽しめます。

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