世界ふれあい街歩き

場所

　スペイン北東部に位置するバルセロナは、地中海に面する港町。人口はおよそ160万。世界有数の観光地として、年間およそ700万人の観光客が訪れます。
　986年、フランク王国から独立を宣言し、バルセロナ伯国が成立。これが現在のカタルーニャの起源になったと言われています。地中海交易で多くの富を得た中世には、バレンシア王国やマヨルカ島を征服して、独自の言語であるカタルーニャ語を普及させました。伝統的なダンス“サルダーナ”や、組み体操の“人間の塔”など、カタルーニャが生み出した独自の文化は、ここバルセロナの地で今も生き続けています。

人間の塔

　バルセロナは、カタルーニャ地方の中心都市。この地方の人々は、自分たちの言語や文化を大切に守ってきました。その一つに“人間の塔”があります。200年以上も昔から祭りで行われてきた伝統的な組み体操で、2010年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。
　人間の塔は、体格のいい大人が土台となり、頂上に子どもが登って手を上げたら完成します。高さ10ｍにも及ぶ塔を完成させるには、入念な練習が必要。その成果を披露するのがお祭りの日なんです。お祭りにはカタルーニャ地方のさまざまな地域から、たくさんのチームが集結。コンクールの形式になっているので、塔の高さや難易度、人の上り下りの仕方などが、重要な採点基準になるのだとか。大人から子どもまで、世代をこえたチームワークが立派な塔を完成させるカギとなっています。

バルサ

　愛称“バルサ”の名前で親しまれている、FCバルセロナ。世界中に多くのファンを持つサッカークラブとして、よく知られています。実はこのFCバルセロナ、サッカーだけではありません。ローラーホッケーやラグビーなど、11の競技のチームが所属している総合スポーツクラブなんです。
　競技場の近くには、バルサの過去の栄光を伝えるトロフィー・ルームがあります。今回、バルサを紹介してくれたビラン・モーロスさんは、ハンドボールの選手。この競技も、スペインリーグやリーグカップで優勝するほどの強豪チームなのだとか。
　バルセロナを訪れた時には、サッカーだけでなく、いろいろな競技の観戦にも足を運んでみてはいかがでしょうか？

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介！

　今回紹介してくれるのは、地元をこよなく愛するバルセロナ育ちの観光ガイド、ダンディーなアベル・ロカさん。甘いものが大好きなロカさんが厳選する、バルセロナのスイーツ・ベスト3です！

ホットチョコレート＆チュロス

熱々に溶かしたチョコレートに、油でこんがり揚げたチュロスを浸したスイーツ。濃厚なのに甘さが控えめのホットチョコレートと、サクッとしたチュロスは、味も食感も相性抜群！食べ出したら手が止まらない、クセになる味です。

クレマカタラーナ

こちらもカタルーニャ地方を代表するスイーツの一つ。クレームブリュレの元になったと言われています。カスタードの表面に砂糖をまぶし火であぶると、パリパリのカラメルになります。表面のカラメルと、中のやわらかいカスタードのバランスが絶妙！食感と香ばしい風味を同時に楽しめる、ぜいたくなデザートです。

メル・イ・マト

牛やヤギなどのチーズに、甘いハチミツをたっぷりとかけたスイーツ。13世紀から食べられていた伝統のある、カタルーニャ地方を代表する一品です。ハチミツの甘みが、さっぱりとしたチーズに包まれて、どこか懐かしさを感じさせる味です。