2013年4月2日(火) 初回放送
語り:萩原聖人
撮影時期:2013年2月
南イタリア屈指の観光都市で、人口は約100万。ナポリ湾に面したベズビオ山のふもとに街が広がり、その美しさは「ナポリを見て死ね」と言われるほど。紀元前にギリシャの植民地として街が築かれてからは、多くの異民族の支配を受けました。街の地下には今でも多くの遺跡が眠り、旧市街全体が世界遺産に登録されています。
ナポリの人たちはとても迷信深く、たくさんの言い伝えがあります。例えば、「壁に立て掛けられたハシゴの下をくぐってはいけない」という言い伝え。これはハシゴと壁と地面が作る三角形がキリスト教の三位一体という教義に見立てられ、ハシゴの下をくぐると教義のバランスを崩してしまう、という考えからきています。他にも、「黒猫が道を横切ったら、その道を通ってはいけない」「自分の鏡を割ってはいけない」など、数え出したら切りがありません。
こうした迷信が多いナポリには、降りかかる不幸から身を守ってくれると言われるお守りがあります。赤いツノを模した“コルノ”と呼ばれるお守りです。ツノは幸福を呼び込む象徴で、赤は敵を打ち負かす勝利の色を表しています。このお守りは手作りでなければ効果がないと言われ、今でも職人たちの作ったコルノが、街のあちこちで売られています。
街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!
ナポリは、イタリアの中でも独特の食文化が育まれてきた土地。ここでしか食べられない“おやつ”がたくさんあります。そんなナポリのグルメを紹介してくれるのは、食べ盛りの中学生、ラファエル君!
パニーノ
ピザ発祥のナポリにはピザ屋さんがたくさんありますが、ピザ以外の定番メニューとなっているのが、パニーノ・ナポリターノ(ナポリ風)。ゆで卵が入っているのが特徴で、腹持ちがよく街歩きのおやつに最適です。ナポリに来たらぜひ食べてみてね!
スフォイアテッレ
ナポリではおなじみの、貝の形をしたパイ。パリッとしたパイ生地に甘さ控えめのリコッタチーズのクリームがたっぷり入っています。
タラリ
南イタリアならどこにでもある伝統的な固いパンのことですが、ナポリのタラリはコショウが入っているのが特徴です。アーモンドが入った生地を2本のひも状にしてクルッと巻き、焼き上げればできあがり。アーモンドの食感とピリッと効いたコショウが大人の味!
街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!
今回は、にぎやかなナポリを離れて、癒やしの温泉地を目指します。
実はナポリの周辺にはたくさん火山があり、温泉も多く湧き出ているんです。向かったのは、ナポリから電車で30分の距離にある小さな港町「ポッツォーリ」。ここは古くから温泉の街として有名です。漁港や美しい海岸線を散策した後、4000年前に噴火したと言われる火口跡のソルファターラを巡ります。