これまでの街歩き

フィレンツェ アルノ川左岸へ/ イタリア

2013年7月23日(火) 初回放送

語り:林 隆三

撮影時期:2013年5月

世界地図

地図

場所

 イタリアのほぼ中央に位置する、トスカーナ州の州都。人口は約45万。毎年何百万人もの観光客が訪れるイタリア有数の観光地です。紀元前1世紀、街はローマ人によって建設されました。13世紀から15世紀にかけて、あらゆる分野が発展。特に芸術分野は、この街を支配した豪商メディチ家の財力に支えられて、ルネサンスが開花しました。
 街の中心にはアルノ川が東西に流れています。川の北側は大聖堂やウフィツィ美術館があり、南側のアルノ川左岸は“オルトラルノ(川の向こう側)”と呼ばれています。旧市街は世界遺産に登録され、メディチ家の住居やピッティ宮殿、街を一望するミケランジェロ広場など、見どころがたくさんあります。
 また、フィレンツェの芸術を陰で支える職人さんたちの工房や、地元の人々でにぎわう庶民的な広場などもあり、古き良きフィレンツェの暮らしをしのばせます。

Information

ヴァザーリ回廊

 宝石店が並ぶヴェッキオ橋。お店の上に回廊があり、橋の最初から最後までずっとつながっています。建築家の名をとって“ヴァザーリ回廊”と呼ばれるこの回廊は、メディチ家専用の通路の一部。ヴェッキオ宮殿から住居のピッティ宮殿までをつなぐ約1kmにおよぶ空中回廊で、市民や政敵と出会わずに安全に行き来できる通路として、1565年にメディチ家のコジモ一世が作らせたと言われています。権勢を誇ったコジモ一世は、息子のフランチェスコの結婚式に間に合わせるために、わずか5か月で建造させたのだとか。現在、回廊には700点にのぼる絵画が展示され、期間限定で公開されています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 フィレンツェの人気スイーツ、イタリア語で“ドルチェ”を紹介してくれるのは、モデルのシモーナさんです。彼女はいくら食べても太らない体質なのだそう。うらやましいですね!

ジェラート

ジェラートは、イタリア語で“凍った”という意味。街の至る所にジェラート屋さんがあり、最近は搾りたての牛乳を使うお店も増えています。コーンとカップ、どちらかを選んで注文できますが、たいていのお店は最低2つ盛りから。6つ盛り用の特大コーンもあるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

カントゥッチ

トスカーナ地方の伝統的な焼き菓子。フィレンツェ以外の地方では、“ビスコッティ”という愛称でも知られています。パンの端をもう一度焼いたのが始まりと言われていますが、現在はアーモンドやオレンジピールなどの入ったおしゃれなドルチェです。少し硬いので、エスプレッソやコーヒー、名物のスイートワインに浸して食べてみて!

ズコット

16世紀にメディチ家のために作られたという歴史のあるお菓子。フィレンツェのシンボル、大聖堂のドームをイメージして半球形になったと言われています。スポンジの中には、クリームにチョコやナッツなどを混ぜて凍らせたものが入っています。卵を使わないので、アイスクリームよりもあっさりしているんですよ。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

キャンティ地方

 今回の“より道”は、フィレンツェからシエナまで続く「キャンティ街道」。周辺には美しい丘陵地帯が広がり、ぶどう畑が続いています。風景を楽しみながら、街道沿いに点在するワイナリーにも立ち寄ることができる絶好のドライブコースです。わき道に入ると、ぶどうのせんてい作業をしている人々の姿が。手間をかけて育てているんですね。ここから見えるぶどう畑はすべて同じオーナーのもので、すぐ近くにあるブローリオ城に住んでいるのだとか。お城には昔のワイナリーがあり、見学もできます。オーナーの男性は、代々ワイン造りをしてきた名門一族の32代目。「この周辺はほかの農作物には適さない土地だけれど、サン・ジョベーゼというぶどうの品種は、キャンティで育つとおいしくなるんですよ」とワインがおいしくなる秘密を教えてくれました。きれいな田園風景とばかり思っていたら、厳しい土地だったんですね。キャンティ地方にはお城やワイナリーがいくつもあるので、こんなテイスティングざんまいの旅も楽しいですよ。

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