これまでの街歩き

ジョグジャカルタ/ インドネシア

2014年3月11日(火) 初回放送

語り:小倉久寛

撮影時期:2013年7月

世界地図

地図

場所

 インドネシアのジャワ島中部に位置するジョグジャカルタ。人口はおよそ39万で、大多数がイスラム教を信仰しています。ジョグジャカルタとは、ジャワ語で“平和で良い”という意味。1756年にイスラム王朝の都として造られました。オランダからの独立戦争の際、インドネシアの臨時首都になった街でもあります。
 街の中心に王宮があり、現在もスルタン(君主)が暮らしています。王宮へまっすぐ伸びるマリオボロ通りは、昼夜多くの露天商や屋台でにぎわい、近辺にはオランダ統治時代の建物も残っています。世界遺産、ボロブドゥール寺院やプランバナン寺院があり、観光の拠点にもなっています。

Information

ジョグジャカルタの王宮

 街の中心にある王宮は、イスラム王朝が成立した翌年の1756年に建てられました。現在もスルタン一家が暮らしていますが、敷地の一部は公開され、見学することができます。民族衣装をまとい、腰に短剣を差した方々はスルタンの家臣。今でも2000人ほどの家臣が王宮の維持管理に努めています。先祖代々の家臣が多く、役目の大部分は世襲されています。
 王宮文化を伝える展示室も、見どころの一つ。バティック<ジャワ更紗(さらさ)>と呼ばれるロウケツ染めの布は、インドネシアを代表する工芸品です。展示室では、スルタンの后(きさき)たちが手がけた作品を見ることができます。
 伝統文化の保護育成の拠点となってきた王宮に、ぜひ足を運んでみてくださいね。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 ジョグジャカルタで断食明け用としても人気のフードを、B級グルメ好きの学生、カルニアさんに紹介してもらいました!

ジャワ麺

アヒルの卵をニンニクと炒め、鳥をまるごと4時間煮込んだスープを合わせ、鳥肉、トマト、キャベツなどの具を入れます。最後に麺を入れて煮込むのがジャワ麺の特徴。スープのうまみを麺によく染み込ませて完成です!ここで紹介しているお店は、かのスカルノ大統領も愛した名店です。

トゥラン・ブラン

“月の輝き”という意味のパンケーキ。オランダ統治時代にオランダから伝わったスイーツです。まず、鉄板でスポンジケーキを焼き、アツアツのうちにバターをたっぷり塗り、チーズをのせます。さらにチョコフレークやコンデンスミルクをかけて出来上がり。濃厚な甘さと、ふわふわした食感がたまりません。

ウェダン・ロンデ

白玉の入った温かい飲み物。パンやピーナッツ、コランカリン(砂糖ヤシの実)を器にのせ、シロップにつけこんだ白玉をシロップごと入れて、最後にしょうが湯と合わせて出来上がり!これを飲めば、断食明けの渇いた体がやさしく温まって、元気が湧いてきます。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

ボロブドゥール寺院

 ジョグジャカルタから路線バスで約90分。世界遺産のボロブドゥール寺院を訪ねました。8世紀から9世紀にかけて、ジャワ島中部を支配したシャイレーンドラ朝によって建てられた、世界最大級の仏教寺院です。火山灰と植物に埋もれたまま1000年もの間眠り続け、1814年にイギリス人によって発見されました。200万個にのぼる石を接着剤なしで積み上げたピラミッド状の巨大建築は、それ自体が仏教的宇宙観を象徴する曼荼羅(まんだら)だと言われています。
 見どころの一つは、回廊に刻まれたレリーフ。釈迦(しゃか)の生涯や、さまざまな仏教説話が総延長5kmにわたって時計回りで続いていきます。上層部には、釣り鐘を逆さにしたような「ストゥーパ」と呼ばれる建築物が並んでいます。その数72基。それぞれのストゥーパの中に仏さまが安置され、格子の間から、わずかにその姿を見せています。
 いまだ多くの謎が残るというボロブドゥール。ぜひ訪れて、悠久の時を感じてみてくださいね。

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