これまでの街歩き

アルプスの見える街
ジュネーブ/ スイス

2016年7月26日(火) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2016年4月

世界地図

地図

場所

 ジュネーブはスイス最西部に位置した人口20万の街。周囲をフランスに囲まれ生活様式にその影響を受けていることから、「スイスのパリ」とも呼ばれています。赤十字や国際連盟の発祥の地で、現在も多くの国際機関が集うこの街は、その人口の4割を外国人が占める国際都市。
 街は14、15世紀のころ、すでにヨーロッパの市場のような役目を担う、物資の流通や人々の交流の場でした。16世紀には、カルバンによる宗教改革の中心地となり、多くの新教徒の避難先となったことでも知られています。また、その亡命者が時計製造の技術をもたらしたことで、ジュネーブはスイス時計産業を代表する街となっていきました。市街地には今も多くの高級時計店が立ち並び、国際機関の施設とともに、エレガントな雰囲気を形づくっています。

Information

フランケンシュタイン

 おぞましい怪物の姿でおなじみ、小説『フランケンシュタイン』。科学者・フランケンシュタインが、人間の死体をつぎ合わせて怪物を作り出したことで起きる悲劇のストーリーは、実は、19世紀のジュネーブで生まれました。作者メアリ・シェリーはイギリス人ですが、夫や友人とジュネーブに滞在した際、怪奇物語を考え合う遊びをする中、物語の着想を得たのです。街には今も、恐ろしげな怪物の銅像が立っています。
 19世紀初頭、スイスが永世中立国になって以来、ジュネーブは国際会議が開かれるなど「外交の街」として発展してきました。現在も多くの国際機関が集まり、異なる国の人たちが行き交います。さまざまな価値観が共有されるジュネーブだからこそ、フランケンシュタインは生まれたのかもしれません。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 湖や山々など、豊かな自然に囲まれたジュネーブ。そんな美しい風景にちなんだ街の味を、グルメな紳士・ジェラールさんが紹介します。

メレンゲ ダブルクリーム

アルプスの雪山のような焼きメレンゲに、乳脂肪分50パーセント以上もの濃厚な生クリームを組み合わせた、ジュネーブを代表するデザートです。メレンゲのサクサク感と生クリームのなめらかな舌触りが生み出すハーモニーは、やみつきに!

フィレ・ド・ペルシュ

レマン湖で取れる白身魚「ヨーロピアンパーチ」を使った魚料理。ムニエルやフリットにしていただきます。付け合わせは、ゆでたポテトや、フレンチポテトが一般的。さっぱりとしたその味わいは、ジュネーブの人々が幼い頃から慣れ親しんだ「ふるさとの味」です。

パベ・ド・ジュネーブ

ジュネーブの人々にこよなく愛されている生チョコレート。「パベ」とはフランス語で「石畳」の意味。雅子様がバレンタインデーに浩宮殿下に贈ったことで、日本でも話題になりました。石畳のようなキューブ型のチョコが、口の中でとろけます!

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

絶品チーズの里 グリュイエールへ
語り:つぶやきシロー

 「チーズの女王」と称されるグリュイエール・チーズで有名なグリュイエール。アルプス山脈の麓にあるこの村へは、ジュネーブから電車で2時間ほど。乗客のお兄さんに聞くと、「本場のチーズフォンデュが食べられる」と言います。しかし、到着した駅前には何もなさそうな気配…。
 チーズを求めて、“スイスの原風景”のような雄大な草原の広がる牧場へ。そこで、オーナーが「牛が食べる草花によって牛乳の味が決まるため、アルプスの牛乳には独特の風味がある」と教えてくれました。「ここならチーズが…」と期待が高まりましたが、牧場では作っていませんでした。
 駅前にチーズ工場があると聞き、駅に戻ると、確かに電車が到着した反対側にたしかに工場が!中に入ると、製造工程の案内を受けました。工場長によると、4800リットルの牛乳から出来るチーズはわずか400キロ、製造後も5か月もの間熟成するんだとか。
 最後に、ようやくレストランへ。手間ひまかけて作られる、ありがた〜いチーズ・・・、いただきます!

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