これまでの街歩き

アルプスの見える街
ジュネーブ/ スイス

2016年7月26日(火) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2016年4月

街の「切り絵ギャラリー」

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 スイスやジュネーブの旗がひしめく旧市街を歩いていると、通りにたたずむ人が。視線の先にあったのは、さまざまな絵や雑貨が並んだディスプレイ。その店内に入ると、左右対称に切り抜かれた、精緻な切り絵が壁一面に飾られていました。
 店の女性オーナーによれば、切り絵は「山での伝統的な暮らしがモチーフになっている」とのこと。春になると家畜を高地へ移動させる、この地域の風習が描かれています。昔の人は、日中に牛の世話をしながら、夜、切り絵の作成に勤しんだそうです。オーナーは今でも、お孫さんたちと一緒に作るのだとか。国際色豊かなジュネーブの街には、こうした昔ながらのスイスの伝統も息づいています。

街の「海賊ごっこ誕生日会」

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 緑豊かなバスティオン公園を歩いていると、幼稚園のお遊戯のように、音楽に合わせて踊る子どもたちを発見。でも、その掛け声はなぜか「宝物を探しに行こう」。みんな、海賊の格好をしています。尋ねると、海賊ごっこをしながらのお誕生日会とのこと。男の子、エリアス君のお誕生日を、家族や友達がお祝いしていました。
 「宝探し」のあとは、バースデイケーキの登場。みんながフランス語のハッピーバースデイを歌う中、エリアス君はロウソクの火を吹き消します。でも、すぐに火をつけ直すお姉さん。続けて、みんながスペイン語で歌い始めました。「英語やドイツ語でも歌えるよ!」という声も。さまざまな国籍の人々と子どもが集まるジュネーブならではの出会いでした。

街の「絵描きカフェ」

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 街の中心から離れた場所で、ひときわ繁盛しているカフェを発見。名前は「もう一つの居場所」。店のご主人は、営業中でもお客さんとテラス席に座り、談笑していました。
 絵も描くというご主人の案内で店内に入ると、壁には作品の数々が。さらに店の奥には、アトリエも。ご主人いわく、「描き出すと熱中して店の仕事を忘れる」とのこと。お客さんとのやり取りが、アイデアの源にもなっているのでした。 
 そんなご主人は、実はトルコのクルド地域の出身。最初は難民でやってきてカナダへ移る予定でしたが、ここで奥さんと出会い、残ることを決めたそうです。人々がジュネーブへやってくる理由はさまざまでも、いつの間にか、この街がかけがえのない「居場所」になっているのかもしれません。

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