これまでの街歩き

ソウル・プッチョン(北村)界隈 / 韓国

2007年1月16日(火) 初回放送

語り:林 隆三

撮影時期:2006年12月

街の「“ラーメンマーク”」

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プッチョンの街を歩いていて、やたらに目に付くのがハノックの壁に描かれた“ラーメンマーク”。あのラーメン丼に描いてあるグルグルの渦巻き模様がずっと続いているんです。実は、このラーメンマークは「雷」の模様。農耕民族が多い韓国では、雷は干ばつの時に雨をもたらす吉兆とされてきました。その雷模様を長くつなぎ、ハノックの模様とすることで、いつまでも途絶えることのない繁栄をもたらす印としているんです。
プッチョンの人々に幸せを運ぶ「雷」模様。素敵ですね。

街の「瓦屋根」

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まるで、プッチョンの街に「黒色の絨毯」をひいた様に、いくつも連なっているハノックの瓦屋根。瓦一つ一つをよく見ると、花の形や龍の形など様々な模様が描かれています。大切な家族を守るため、家の中に邪悪なものが入らないよう、「魔よけ」として瓦に模様を刻むそうです。伝統を大切にするプッチョンの人々は取り壊されたハノックの瓦を大切に保存して、新しいハノックを建てる際に使ったり、花壇のブロックとして使ったりと、大切にリサイクルしていました。

街の「職人」

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800軒以上のハノックが密集するプッチョンに欠かせないのがハノックを建てる職人や瓦職人の存在です。ソウルは風水の「背山臨水(=後ろが山で前は川)」という言葉にあらわされるように、地形や季節の変化を考慮した家の構造に特徴があります。特にハノックは木造なので、木が腐らない様に屋根を張り出したり、風通しをよくするなど、様々な職人たちの技が不可欠なのです。
しかし、日本と同様、韓国でも伝統を引き継ぐ職人が少なくなり、ハノックに関わる職人も今ではごく少数しか残っていません。彼らはまさに、プッチョンを支えてきた陰の功労者たちなのです。

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