これまでの街歩き

西安/ 中国

2009年11月26日(木) 初回放送

語り:工藤夕貴

撮影時期:2009年10月

街の「画廊」

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文房四宝の街・書院門を歩くと、たくさんの画廊が目に入ってきます。開店の準備をしている女性が、中を案内してくれました。
画廊にはたくさんの掛け軸が飾られています。お客さんは外国人観光客、そして何といっても中国の人が多いようです。中国の人は書画が大好きで、「家を買ったら書画の一つもかけないと格好つかない」とのこと。
この店で一番高いものは、劉文西画伯が描いた日本のお嫁さんの絵。値段は30万元(450万円)でした。劉文西画伯は中国の人民元の100元札にある、毛沢東の肖像画の原画を描いた人だそうです。

街の「回民族の住宅」

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回族の街・西羊市に入ると小さなお店がたくさん集まっています。
小さな屋台で「小鏡菓子」を売っているおじさんと出会いました。おじさんの自宅は屋台のすぐそば。案内してくれました。
門を入ると小道が奥までずっと続いて、細長い大きなお屋敷です。門上に字や絵が彫刻してあります。話によると、このお宅は築300年になるんだとか。今はここに一族が集まり、9世帯で住んでいます。
おじさんの部屋にお邪魔すると、先祖から伝わって来た「春秋大刀」を発見!柄はナツメの木でできています。おじさんは「当時、先祖は何をしていたかよくわからない。おそらく戦いに使ったんだろうけど、今は平和だから使うことはないね」とおっしゃいました。

街の「動く凧(たこ)」

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住宅街の奥に入ると、竹を持って歩く一人のおじいさんと出会いました。竹は、凧を作る材料なんだそうです。
おじいさんの部屋に入れていただくと、壁には色も形もさまざまな凧が飾られています。おじいさんの凧の特徴は「動く」こと。「竜の凧」の頭の部分は風が当たると歯車が回り、竜のあごや舌、目も動きます。そして、同じ原理で「蟹(かに)凧」のハサミと目もかわいらしく動きました。
おじいさんは定年退職するまで機械設計の仕事をしていたんだとか。小さいころから時計やラジオなどの機械いじりが好きで、父親の影響で凧作りを始めました。父親は1930年代に上海芸術学校を卒業し、1本の竹を骨組みにして、西安で一番大きい凧を作ったことがあったそうです。親子代々、凧作りの名人なんですね。

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