これまでの街歩き

セゴビア/ スペイン

2010年5月9日(日) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2010年3月

街の「ローマ水道橋」

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街のシンボル、水道橋。これは2000年前にローマ人たちがつくったものです。全長は813m。一番高い地点は、地上から約28.5mのところにあります。大きさはスペイン最大級、現存するもっとも完璧な古代ローマの水道橋とされています。
北方18㎞のフリオ川から水を引き、1906年まで街に水を供給していました。驚くのは、接合剤が一切使われていないこと!石の重みだけで支えあい、2000年の時を立ち続けてきたのです。
この水道橋を自慢していた街のおじさんは、小さいころ、よくここで遊んでいたそうです。「柱の太さ、キスをするため隠れるにはちょうどいいんだよ」と、水道橋デートの思い出をこっそり教えてくれました。

街の「青空写真屋さん」

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旧市街の入り組んだ路地を抜けると、立派な教会の前の広場に出ました。階段状になっているメディナデルカンポ広場です。
そこの一角で、大きな箱のようなカメラと、セゴビアの路地を描いた書き割りを見つけました。記念写真を撮ってくれる場所なんだそうです。写真屋さんに話を聞くと、何とこの広場に立ち続けて68年の大ベテラン!カメラは130年前のインスタントカメラなんだそうです。
「このカメラで、たくさんの人の笑顔を撮ったよ」と胸を張る写真屋さん。しかも、撮影の最中の昔話がとてもおもしろい!気が付けば、大勢のお客さんが写真屋さんを取り囲んでいました。

街の「左官壁」

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セゴビア旧市街の建物の壁には、細やかで複雑な模様が一面に施されているものが多くあります。そして、その模様は建物によって異なります。デザインの違いを楽しみながら細い路地を歩いていると、左官仕事の現場に遭遇しました。
職人さんたちは手際よく、壁に2種類の漆喰(しっくい)を塗り重ねます。そして炭で描いた線に沿って、上の漆喰を削り取っていきます。こうすることで、模様が浮き上がって見えるのです。これは「エスグラフィアド」と呼ばれ、中世にイスラム文化圏から伝わった伝統技術なのだそう。セゴビアの街は「エスグラフィアドの宝庫」と呼ばれるほど、さまざまな壁の模様があふれています。
職人さんの作業に見とれ、写真を撮っていたのは依頼人の女性。セゴビアの壁は「刺繍(ししゅう)をした花嫁のベールなのよ」と教えてくれました。

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