これまでの街歩き

モッポ/ 韓国

2010年11月28日(日) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2010年9月

街の「玄関」

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港町モッポ、その玄関ともいえる場所がフェリーのターミナルです。朝8時、周囲の島々を巡ったフェリーが到着。そして、ターミナルは多くの人で活気づきます。老若男女、みんな大きな荷物を抱えての上陸。「重くて死にそうだよ」と荷物を運ぶおばあさん。「でもいい顔してますね」と返事を投げ返すと、素敵な笑顔を見せてくれました。
荷物の正体は真っ赤なトウガラシでした。ターミナルの近くでは、車にのせきれないほどのトウガラシを、なんとか押し込もうとする人の姿も。トウガラシはモッポの製粉所に運ばれ、粉にして売られるのだそうです。稼いだお金を孫の教育費にあてるのだという、おじいさんの素敵な笑顔に出会いました。

街の「汽車」

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モッポの旧市街の東側、モッポ駅の近くの路地を歩いていると「汽車、汽車、汽車が来るよ!」という大きな声。その声に誘われて行くと、民家のすぐ前に1本の線路。そして汽笛の音。さっきの声の主のおばさんが自慢げに「汽車が来る」と言います。線路に沿って目をやると、確かに大きな汽車が近づいてきます。軒先ギリギリ…。エンジン音からディーゼル車だとわかります。20両もの長い貨物列車です。
汽車が通り過ぎるとすぐに、何ごともなかったように線路を歩く人々。線路は生活道路でもあるのです。「びっくりしました」と話しかけると「どうってことないよ」と笑うおばさん。「なにを運んでいるんですか?」おじさんに聞くと「港のほうに練炭の工場があって、一日一往復、練炭を運ぶために走っているんだ」と教えてくれました。

街の「日本式家屋」

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モッポの旧市街には木造校舎のような古い建物が多く見受けられます。商店街のクリーニング店の人に聞くと、「このあたりはすべて日本式の建物だよ。改修されているけど、全部そうだよ」と。モッポの中心部、旧市街は100年ほど前、日本が朝鮮半島を統治していた時代につくられた街だといいます。
歩いていくと、住宅街で真っ赤なトウガラシを道端に干すおばあさんに出会いました。おばあさんの家は長屋のような建物。「ここは昔、日本のビール倉庫だったんだよ」と教えてくれました。

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