これまでの街歩き

イタリアとっておきⅡ
シチリア島シラクーサ/ イタリア

2011年1月16日(日) 初回放送

語り:林 隆三

撮影時期:2010年11月

街の「アポロ神殿」

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活気あふれる市場を抜けると、突然、目の前に石の壁!大きな遺跡が現れました。場所は市街地のど真ん中。ずいぶん古そうだなぁと思い、そばにいた2人のおじいさんに聞いてみると「2600年前につくられたアポロ神殿だよ」と、教えてくれました。
この遺跡は古代ギリシャの太陽神・アポロをまつった神殿。シチリア最古のドーリア式神殿で、その後、ビザンチン教会、モスクと、役目を変えながら利用され、現在もその壁の一部や円柱が残っています。
古代も多くの人々が訪れたに違いない神殿。いまでも遺跡の前は街のメインストリートです。周辺は住人や観光客の憩いの場となり、たくさんの人がおしゃべりに花を咲かせていました。

街の「エコカー」

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旧市街の細い路地をさまよっていたら、向こうからさっそうと一台の小さな小さな自動車がやってきました。中からは一人の若い女性。「これは郵便配達のエコカーよ」と、教えてくれました。路地の狭い道幅でもスイスイ通れてしまう電動自動車。旧市街では4台が郵便を届けるため走り回っているのだとか。
世界遺産に登録された建築物が多く残る旧市街では、文化財の保護のため、ほとんどの道で住民以外の自動車が通行禁止になっています。そして、郵便配達やバスには電動自動車が使われています。
街の環境を考えて走る郵便屋さんは住人たちの顔なじみ。歴史ある街を守る、たくましい彼女の後ろ姿が印象的でした。

街の「大聖堂」

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お昼過ぎ、カフェがある路地の角を曲がると、威風堂々とした建造物が目に飛び込んできました。「元は古代ギリシャの神殿で、キリスト教会になっても神殿の柱は残したんですよ」と、仕事の昼休みにデート中だったご夫婦が教えてくれました。
それはシラクーサで一番大切な教会、大聖堂(ドゥオーモ)。紀元前5世紀ごろの建造。側面のどっしりとした柱はドーリア式円柱、ギリシャのパルテノン神殿と同じ様式です。正面の華麗な装飾は18世紀のバロック様式。古代ギリシャ時代には知恵と勝利の女神、アテナに捧げる神殿、現在は守護聖女ルチアをまつったキリスト教会になっています。二つの時代が重なった、シラクーサならではの貴重な建造物です。

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