これまでの街歩き

コタキナバル/ マレーシア

2013年5月28日(火) 初回放送

語り:市原悦子

撮影時期:2013年3月

街の「土地神様」

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 街を歩いていると、路上に立てた小さな柱に、数々のお供え物を置いている人を発見。厳かな表情で祈りをささげるその男性に話を聞くと、“土地神様”を祭っているのだとか。土地神様は、かつてその土地を所有していた位の高いマレー人で、亡くなった後も魂がこの地にとどまっていると考えられているのだそうです。土地神様の機嫌を損ねてしまったら災いが降りかかると信じられているため、毎日、好物のカレーや葉巻、パイナップル、バナナ、飲み物などをささげて拝んでいるそうです。コタキナバルの街には、こうした土地神様が多く祭られています。ちなみに、この男性は中国系の移民の方なのですが、自分の家では道教の神様を祭っているそうですよ。

街の「水路の魚とり」

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 歩いていると、水路に突き当たりました。目の前で投網漁が行われているので見ていると…、引き上げられた網には小魚に混じって、なんとカブトガニが!古生代からほとんど姿が変わっていないため「生きた化石」と呼ばれ、日本では天然記念物に指定されている珍しい生き物です。それなのに、コタキナバル一帯では食用に捕獲されていて、漁に参加していた男性の5人グループは、それぞれ家に持ち帰って晩ご飯にするのだとか。
 男性たちは民族も出身地もバラバラですが、この街で知り合い、仲良くなったのだそうです。異なる文化にふれ、さまざまな民族の人々と友達になれる、それがコタキナバルのいいところだと、笑顔で語ってくれました。

街の「水上住宅のカラオケ」

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 海の上に建てられた住宅が集まる場所に到着。網の目のように張り巡らされた木造の通路を歩くと、足の下に波が寄せて、まるで海上を散歩しているようです。
 どこからか大音量のカラオケの音が。その家の戸口をのぞいてみると、熱唱していた男性が家に招いてくれました。彼が歌っていたのは、バジャウ民族の伝統の歌。カラオケで歌うことによって、男性は伝統を継承しようとしているそうです。
 バジャウはもともと海洋民族で、コタキナバルに定住する時、海の上に家を建てる生活スタイルを選びました。海洋民族としては、海から離れて暮らすのは難しいのだそうです。

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