これまでの街歩き

シルクロードの響き
敦煌/ 中国

2016年11月22日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2016年9~10月

街の「川辺の公園」

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 街の西側を流れる党河沿いの公園は、街の人たちが集まる憩いの場です。朝はお年寄りが「健康歩道」に集まり、備え付けの運動器具で体力作り。毎朝仲間と過ごす社交の場でもあります。
 向こう岸に渡るため、1人通るのがやっとの細い橋が所々に作られています。橋の途中にはすれ違う時、道を譲るためのスペースが何か所かあります。短く挨拶して、互いに譲り合う時間を持つことで、少し優しい気持ちになれる橋です。
 また川辺にはあずまやが所々に設けられて楽団が練習したり、マージャンに興じる人たちの姿が見られます。ほかに、クジャクのいる小さな鳥小屋、カフェ、卓球場などがあり、思い思いの方法で余暇を過ごせる公園です。

街の「石おじさん」

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 住宅街を歩いていると、自転車の荷台に石を載せて運ぶおじさんに出会いました。誘われて家にお邪魔すると、大小さまざまな石を展示する部屋が3つも!その家に一人で暮らしているということでした。
 川や砂漠で石を拾っては、丁寧に洗って飾っているのだそうです。一番のお気に入りは「釣り人」と「花嫁」の石。なるほど、岩の上で人が釣り糸を垂れているような模様の石です。「花嫁」の方は、“鼻の高い女性の頭”に見える石に、ピンクのベールがかけてありました。ほかにも「岩の間をはうヘビ」「織姫と彦星」「皇帝の靴」などいろいろな石が所狭しと並んでいます。洗ってなでてあげることで、石と会話が出来るのだとか。そうしているうちに、想像力が膨らむのかもしれませんね。

街の「壁画愛好家」

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 敦煌の莫高窟に描かれた壁画の世界を体現している人たちに街で出会いました。通りを歩いていると音楽が聴こえてきます。中をのぞくとそこは楽器屋さん。女性が琵琶を演奏していました。壁画と変わらない形です。聞けば敦煌では今も「琵琶は弦楽器の女王」なのだとか。彼女は小学校の先生で、子供たちにも 琵琶を教えているそうです。
 もう1人は団地の広場で子供たちに蝶の切り絵を作って見せていた女性。何年もかけて作った切り絵の巻物を家から持ってきてくれました。壁画をモデルにしたその図案は、天女たちが楽器を奏でたり、踊ったりしている様子。繊細で複雑なその作品は、すべて自己流なのだとか。およそ千年前に壁画に描かれた世界は、今も街の人の暮らしの中に生きています。

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