ショーン・コネリー、キャンディス・バーゲン共演の歴史大作

風とライオン【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

4月18日(木)[BS]午後1:00〜3:00

今回ご紹介するのはショーン・コネリー主演の歴史アクション大作です。

ときは1904年、モロッコのタンジール。アメリカ人のペデカリス夫人と2人の子どもが、リフ族の首長ライズリに誘拐されてしまいます。ライズリの目的は、欧米列強から祖国モロッコを守ることでしたが、事態は国際紛争となり、アメリカのルーズベルト大統領は大西洋艦隊をモロッコに向かわせます。息詰まる攻防は…。

ライズリを演じるのがショーン・コネリー。1930年、イギリス・スコットランド生まれのコネリーといえば、何といっても007(=ジェームズ・ボンド)。シリーズ第1作「007/ドクター・ノオ」(1962)以降7本で、タフでウィットに富んだイギリスのスパイを演じ、世界中の映画ファンを魅了しました。ボンド以外でも「アンタッチャブル」(1987)でシカゴのベテラン警官を演じてアカデミー助演男優賞を受賞、「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)では旧ソ連の原子力潜水艦の艦長、「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(1989)ではインディの父親の考古学者と、さまざまなキャラクターを演じてきました。本作ではひげをたくわえ、剣の達人で、優れたリーダーシップで部族を率いる古風で誇り高きベルベル人を熱演しています。

ペデカリス夫人を演じるのはキャンディス・バーゲン。はじめはライズリを野蛮だと感じたものの、次第に親しみを感じていく気丈なアメリカ人女性を、ユーモアも交えて演じています。バーゲンといえば、テレビドラマ「TVキャスター マーフィー・ブラウン」が有名ですが、写真家など多彩な活動でも知られ、現在も映画やドラマで活躍中です。さらにルーズベルト大統領をブライアン・キース、国務長官ジョン・ヘイを映画監督のジョン・ヒューストンが、存在感たっぷりに演じているのも魅力的です。

脚本・監督を務めたのはジョン・ミリアス。大学でジョージ・ルーカスと友人となり、ルーカスとともにフランシス・フォード・コッポラ監督が設立した映画製作会社に参加し、「地獄の黙示録」(1979)の脚本を執筆。西部劇「ロイ・ビーン」(1972)の脚本や、「ダーティハリー」(1971)や「ジョーズ」(1975)ではクレジットなしで脚本修正を手がけるなど映画業界で注目され、監督となりました。黒澤 明監督を敬愛し、骨太でダイナミックな演出を得意とするミリアス監督、本作でも髄所に黒澤監督をほうふつとさせる演出をみせているのも見どころです。

名作曲家ジェリー・ゴールドスミスの勇壮な音楽にも胸が高なる名作。どうぞお楽しみに!

プレミアムシネマ「風とライオン」

4月18日(木)[BS]午後1:00〜3:00


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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